無痛分娩 小西院長から
無痛分娩は、産科医・麻酔科医・助産師の連携と技術が必要な医療分娩です。
なかでも、麻酔科医の技術力と情熱が最重要です。当院(MLC)では、麻酔科部長加藤真也医師のもと佐藤逸郎医師、江渕慧悟医師、吹田真一医師を中心とした個人的信頼関係によるMLC麻酔科チームへと体制強化できた2022年度以降に、さらに多くの方にご提供できるようになりました。現在、以下の2つのタイプの無痛分娩を提供しています。
- 突然の陣痛や破水でも休日や夜間も含めて365日対応の安心安全重視の計画無痛分娩
- 痛くなった時に平日9:00〜17:00のいつでも開始できる便利さ重視の当日希望無痛分娩
どちらの無痛分娩でも麻酔科医が、硬膜外カテーテル挿入だけでなく、分娩終了までの麻酔薬投与や麻酔管理までを完全麻酔科医対応をしている稀有なクリニックです。さらに自然分娩の方の急変時にも彼らMLC麻酔科チームの技術力で救われています。
そのため分娩先の選択条件に母児の安全第一を考えられる箕面市・池田市・豊中市・吹田市・茨木市をはじめ伊丹市・川西市・大阪市北部など広い範囲のご夫婦に選んでいただいています。実際、これらのほとんどのエリアでは、陣痛や入院や分娩が多い夜間に車で15~20分程度と便利なMLCの立地も関係しています。
そして、MLC麻酔科チームの技術と連携が、近郊にない分娩終了までの完全麻酔科医立会いと低い帝王切開率と手術時の鎮痛麻酔管理までを可能にしています。またMLCでは、麻酔科医の麻酔科ZOOM教室や麻酔科個人外来だけでなく、助産師による無痛準備教室などのサポートにより初産婦さんの無痛分娩を敬遠や制限をしないことを可能としています。
今後も、MLCの理念である「ひと」と「ひと」のつながりを活かして
- 互いの顔や心も知るチーム医療によるつながりによる安全
- 外来や教室で育まれた妊婦さんとのつながりによる安心
- 入院生活を支えるサービスの快適さ
を 提供するMLC分娩の一つの選択肢として、MLC計画・当日無痛分娩を丁寧に発展させたいと思っています。
令和6年10月
理事長・院長 小西光長
MLC麻酔科医によるMLC無痛分娩について
MLCでは、安全性と皆様とのつながりを最優先に以下の無痛分娩を提供しています。
- MLCのチーム麻酔科医が、硬膜外カテーテル挿入だけでなく、麻酔薬投与や全身管理を分娩終了まで完全対応します。
- MLC麻酔科チームが、計画無痛分娩をご予約の方には、夜間も含め365日体制で、計画日以外の夜間の突然の陣痛や破水にも対応します。
- MLC麻酔科チームが、皆様とつながりを優先するためのZOOM無痛教室と、最終希望者には麻酔科外来で個別面談とリスク評価を行います。
- 計画無痛分娩費用
15万円(硬膜外カテーテル挿入料5万円+分娩までの麻酔科医による麻酔分娩管理料10万円)を通常の分娩費用に追加させていただだきます。
当院は無痛分娩も自然分娩と同様、初産婦名目だけでの割増料金はいただきません。
⇒分娩費用の詳細はこちら ただし、- 硬膜外カテーテルを挿入したが分娩に至らず退院になった時は、硬膜外カテーテル挿入料の5万円のみいただきます。
- 無痛分娩進行中に緊急帝王切開になった時は、硬膜外カテーテル挿入料の5万円+麻酔科医による無痛分娩管理料の半額+通常の緊急帝王切開料金をいただきます。
- 2023年4月1日分娩より 夜間(20時〜翌朝8時)・祝日・日曜の硬膜外カテーテル挿入料は通常のカテーテル挿入料に5万円を追加させていただきます。
- 簡単な3stepの事前エントリーでの、麻酔開始は平日の9:00~17:00に限りですが、
ご希望時点で開始できる当日希望無痛分娩もあります。⇒詳しくはこちら
MLC麻酔科チームによる無痛分娩を安全に受けていただくために
- 2023年 1月以降
- 新規ご予約の方は、以下の場合にはお受けできません。
- MLC 初診時(里帰り分娩では他院通院時の初診時)BMI30 以上
- 患者さん本人が日本語でのコミュニケーションが困難と産婦人科医により判断された方
ただし分娩時に必ず付き添える方が日本語でのコミュニケーションが可能な場合は産婦人科外来受診の上で産婦人科医が判断させていただきます。 - 産婦人科での緊急時対応が困難と判断される他科疾患やその通院歴がある方(またはこれらが後日判明した方)。
- 脳梗塞などで抗凝固薬を内服中の方
- MLC 初診時(里帰り分娩では他院通院時の初診時)BMI30 以上
- すでにお受けした方でも
- 妊娠中に体重増加により BMI33(計算方法は上記)に達した方
は早期に麻酔科受診の上で麻酔科医と産婦人科医の総合判断でキャンセルさせていただくことがあります。
- 妊娠中に体重増加により BMI33(計算方法は上記)に達した方
- さらに
- 新たに産婦人科での緊急時対応が困難と判断される他科疾患が発症した方
- 硬膜下血腫のリスクから血小板減少(10 万/μl 未満)の方
はキャンセルさせていただきます。
無痛分娩の流れ
- 無痛分娩予約
- 計画無痛分娩(突然の休⽇や夜間も含め365⽇⿇酔科対応)
- 事前予約制の定数制です。
約25%になる計画日以外の突然の夜間陣痛や破水入院でも休日や夜間も含めて365日麻酔科対応の安心を重視しています。 - 枠が極めて早期に埋まります。麻酔科医によるMLC計画無痛分娩予約状況をご覧ください。
→詳しくはこちら - 当院妊婦健診中の方はなるべく早期に外来担当医にお申し出されることをお勧めしています。
- 他院通院中や里帰りの方は、転院時や帰省時には枠が埋まっている可能性が高く、早期(20Wまでが安全です)にご本人から診察時間にまずは小西院長か鈴木副院長までお電話ください。
- 事前予約制の定数制です。
- 当日希望無痛分娩(平日9:00〜17:00のいつでも開始できます)
- 定数はございません。
痛くなった時に平日9:00〜17:00のいつでも開始できる便利さを重視しています。 - 妊娠36週0日までに外来担当医にお申し出ください。
- 定数はございません。
- 計画無痛分娩(突然の休⽇や夜間も含め365⽇⿇酔科対応)
- 麻酔科外来受診
- 後日、麻酔科医が、無痛分娩についてご説明します。
- 最終予約
- 産婦人科外来で外来担当医と計画無痛の予定日を決めたのち、妊娠30週から36週までにMLC麻酔科チームとの個別麻酔科外来を受診してください。
その上でのキャンセルももちろん可能です。
なお、予約枠が埋まった場合は、ご希望に添えないことがございます。ご了承ください。
- 産婦人科外来で外来担当医と計画無痛の予定日を決めたのち、妊娠30週から36週までにMLC麻酔科チームとの個別麻酔科外来を受診してください。
- zoomによる無痛分娩教室
- 無痛分娩に興味があるけど決めかねている方、無痛分娩について具体的に知りたい方、無痛分娩することに決めたけどいろいろ聞きたい方、麻酔科医が無痛分娩についてわかりやすく解説します。ぜひご参加ください。→詳しくはこちら
- 年度別無痛分娩数の推移
当院(MLC)では2015年より麻酔科医による硬膜外無痛分娩を開始しました。ご希望が急増するなか、クリニック医療の根幹である顔の見える安全と安心体制の強化を行い、2019年4月よりMLCの新しい無痛分娩プロジェクトを始めました。
現在、麻酔科医による無痛分娩は、計画無痛分娩ご予約の方は、夜間や休日も含め365日体制ですので計画日以外の突然の陣痛や破水でもご安心ください。
- 麻酔科医によるMLC計画無痛分娩予約状況
→詳しくはこちら
- 当院の無痛分娩の実績
2015年度〜2018年度 旧MLC無痛 |
2019年度〜2024年9月 新MLC無痛プロジェクト |
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実施数 | 総数 | 104名 | 1343名 合計1447名 |
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初産婦 | 50名(48%) | 693名(51.6%) | |
経産婦 | 54名(52%) | 650名(48.4%) | |
麻酔科医分娩立会い率 | 28% | 100% | |
吸引分娩 | 初産婦 | 52.0% | 28.9% 28.9% 18.2% 17.9% |
経産婦 | 27.8% | 9.3% 8.6% 4.1% 2.4% |
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帝王切開 | 5.4% 6.3% |
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分娩所要 時間 |
初産婦 | 9時間49分 | 11時間39分 |
経産婦 | 6時間54分 | 7時間01分 | |
麻酔合併症 | 2例:くも膜下迷入 (麻酔科医の迅速対応により母児とも問題なし) |
なし |
- 特色 ①MLC無痛ではMLCの理念に基づき、初産婦の制限はしていません。
- 特色 ②新MLC無痛では、計画無痛ご予約の方の突然の陣痛や破水でも夜間休日を含め麻酔科医が硬膜外カテーテル挿入から分娩まで立会います。
- 特色 ③新MLC無痛では、特色②の結果として吸引分娩率は極めて減少しています。
- 特色 ④新MLC無痛では、初産婦が多いにも関わらず、産科・麻酔科・小児科助産師が一丸となった医療提供により極めて低い帝王切開率となっています。
加藤麻酔科部長の思い
私はこれまで国立循環器病研究センターなどで主に心臓麻酔や神経麻酔を専門としておりました。産科麻酔に興味を持ったきっかけは妻が3人目を無痛分娩で出産し、これまでの出産との違いにとても感動し、感謝されたのをきっかけにそのやりがいを実感し、MLCにて産科麻酔に従事しております。
MLCでは2015年から無痛分娩が始まり、ここ数年は世の中のニーズの高まりもあり無痛分娩の症例数は増えつつあります。日々の外来業務でも初産で痛みに対する恐怖心が強い、2人目で出産後も産後の体力を維持したいなどの声を聞き、無痛分娩のニーズの高まりを感じております。しかし、その一方で関西での医療事故の報道を見て無痛分娩は危ないのではないかと考えておられる方もいらっしゃるかもしれません。そのようなことが起きないように当院では麻酔専門医が夜間も含め365日無痛分娩に対応できるような体制となっております。国立循環器病研究センターに勤務時の信頼のできる同僚である佐藤逸郎先生、江渕慧悟先生、吹田真一先生が麻酔を担当してくれます。この体制によってより一層安全に麻酔を提供できると思っております。
麻酔科としては痛みを抑えることはもちろん、妊婦さんの体の状態を第一に考え、その方にあったできる限りの快適に出産をしていただけるように努めていきます。
そして出産の負担を軽減することは、お母さんにも赤ちゃんの為にもなると実感しています。
満足していただけるような出産をしていただけるよう日々全力で取り組んでおります。
無痛分娩に興味がある方は、なんでも聞いてください。
令和5年5月
麻酔科部長 加藤真也
情報公開について
硬膜外分娩の安全性に対する懸念が社会的に注目を集める中、この課題への対策を検討する目的で、平成29年度厚生労働行政推進調査事業補助金(厚生労働科学特別研究事業)「無痛分娩の実態把握及び安全管理体制の構築についての研究」が組織され、平成30年3月29日に「無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言」が発表されました。この提言を受けて協議を重ねた結果、無痛分娩関係学会・単体連絡協議会(JALA)が発足されました。MLCでは、JALAの趣旨に賛同し無痛分娩(硬膜外分娩)に関する分かりやすい情報公開に努めております。
JALAについては、以下のサイトをご覧ください。
https://www.jalasite.org/
- JALAでMLCが公開している情報
→詳しくはこちら