2022年医療実績
はじめに
MLCでは開院の2005年度より毎年年報とWEBでの医療実績を公開しています。ここに2022年度(2022年5月~2023年4月末)の医療実績を公開します。
昨年2022年度は、活気と進取の気質にあふれる新しいメンバーの積極採用により、同じビジョンで全ての女性の不安や痛みに寄り添うチームMLCへの進化することに注力しました。これまでの業務の見直しと取捨選択と改善に多くの時間を費やしました。電子カルテ導入もその大きな変化を助け、一年経った2023年現在、皆様に提供している様々な取り組みが実を結びだしました。
医療体制では、医療の統一化のために全職員委員会を結成し、電子カルテ導入を行いました。
麻酔科医も体制一新し、最高のチームワークと技術力により可能となる365日対応無痛分娩は飛躍的に増加しました。現在は当日希望による無痛分娩も皆様に喜んでいただけています。またこの新麻酔科チームにより無痛分娩だけでなく通常分娩の安全への寄り添いと帝王切開の安全性や痛みへの寄り添いも飛躍的に向上しました。また産前の不安への寄り添いとして専門医による胎児ドックや産後ケアIrohaも始まりました。
婦人科専門外来でも待ち時間のない箕面市子宮がん検診外来が始まりました。さらに妊婦さん以外の不安に寄り添い・向き合う婦人科を目指して、2024年7月に箕面かやの駅直結の地に、かやの分院婦人科をオープン予定です。
今後も箕面市・池田市・豊中市をはじめ吹田市・茨木市など北摂エリアの全ての女性の方の 不安と痛みに寄り添うMLCに向けて1日1日積み重ねていきたいと思います。
理事長・院長 小西光長
分娩統計
1.分娩数
急激な少子化と体制強化による制限期間でしたが、2022年度は894分娩を提供できました。中でも無痛分娩は麻酔科チームの新体制による最高のチームワークとスタッフのレベル向上により過去最大の方に提供できました。2023年現在は計画だけでなく当日無痛も提供しています。今後も<ひととひとのつながり>をベースとした医療で、みなさまの大事な家族史の1ページを大切にお届けしたいと考えています。
- 分娩数 グラフ1
- 居住地域 グラフ2
無痛分娩の増加により、これまでの箕面市・池田市・豊中市だけでなく、吹田市・茨木市・伊丹市・川西市さらには大阪市からも多数の方にお越しいただいております。
これらの多くの地区は、箕面市彩都も含め、実は分娩や入院が多い夜間ならば車でわずか15分です。そのためか2022年度は、2020年度に比べ吹田市は1.3倍・茨木市は2.4倍・川西市は1.6倍に大幅に増えました。特に豊中市の42.6%、吹田市の41.3%、茨木市の61.3%の方が無痛分娩のご希望でした。硬膜外カテーテル挿入から麻酔薬投与と麻酔管理を分娩終了まで全て麻酔科医が行う稀有なクリニックで、安全の365日無痛分娩の提供と無痛分娩以外の方にも彼ら麻酔科チームが母体の救命や緊急帝王切開なども担当します。 母児の安全を第一に考えられるご夫婦の熱い支持とご期待に添えるように今後も頑張りたいと思います。
北摂地区以外の遠方の方の不安への寄り添いとして産前入院Early Stayも始めています。 - ご紹介患者数 グラフ3 初診時から当院に妊婦健診に来ていただいた方は52.5%であり、実に36.3%の方が近隣の先生方からのご紹介でした。今後はMLCが信頼している先生方とは強力な連携グループを形成していきたいと考えています。なお、妊婦健診は妊婦さんのご希望に合わせて、その先生方の診療所で、夜間や休診日は当院にかかっていただくことが可能です。
2.分娩全体概要
2022年度(894件) | ||||
年齢 | 出産回数 (今回含む) |
分娩週数 | 児の出生体重 | |
平均 | 32歳8ヶ月 | 1.76 | 39週4日 | 3073g |
---|---|---|---|---|
最小 | 20歳 | 1 | 35週2日 | 1960g |
最大 | 47歳 | 5 | 42週0日 | 4610g |
3.初産婦と経産婦の比較
人数 | 年齢 | 分娩週数 | 平均体重 | 分娩所要時間 (経膣分娩のみ) |
|
初産婦 | 391 43.7% |
31歳 3ヶ月 (20-44歳) |
39週6日 | 3061g | 12.4時間 (自然は12時間27分 / 無痛は12時間54分) |
---|---|---|---|---|---|
経産婦 | 503 56.3% |
33歳 9ヶ月 |
39週1日 | 3077g | 6.2時間 (自然は6時間11分 / 無痛は6時間29分) |
例年とほぼ同様の結果大きな違いはありません。分娩所要時間が初妊婦さん経産婦さんに関わらず自然分娩と無痛分娩に大きな差は認めませんでした。MLC麻酔科医によるきめ細やかな疼痛管理でリラックスできた結果と思います。現在、助産師による無痛準備教室が始まっており、リラックスできる効果的にいきめる無痛をさらに進めています。
4.分娩様式
- 帝王切開について 帝王切開は117例(全体の13.1%)でした。19%前後と報告される全国平均に比較して極めて低率でした。医師、助産師、看護師、妊婦さんが一丸となって経腟分娩を目指した結果です。またMLCでは麻酔科医が安全への不安に寄り添う帝王切開の術中管理を目指します。
- 無痛分娩について⇒詳しくはこちら
2022年度は、加藤部長とその友人による新チーム体制(硬膜外カテーテル挿入から麻酔薬投与と麻酔管理を分娩終了まで全て麻酔科医が行う稀有なクリニックで、安心安全の365日無痛分娩の提供)になり、チーム力が格段に強化されました。結果、多くの皆様のご希望に安全に積極的に寄り添えるようになり、2022年度は334人(総分娩数の37.4%)の方に提供できました。なかでも豊中市在住の方の無痛分娩率は42.6%、同じく吹田市は41.3%、茨木市は61.3%でした。これは分娩場所として安全を重視されるご夫婦の熱い支持と産科医・麻酔科医・小児科医ほかスタッフ一同気を引き締めていきたいと考えています。
麻酔管理体制だけでない当院の無痛分娩の特徴は、麻酔科医による365日対応の計画無痛分娩と妊婦さんのご希望で開始できる当日無痛分娩というバリエーションの豊かさです。さらに、特筆すべきは、この麻酔科新チームだからこそ可能となることですが、MLCは初産婦というだけでの無痛受け入れ制限はしておらず、半数が初産婦さんである希有な施設でありながら、帝王切開への移行が極めて低いことです。このことはMLC麻酔科医と産科医と助産師の連携だけでなく、何よりMLCとMCL妊婦さんとのつながりの結果と考えています。